びっくりするほど皆の携帯が鳴り始めた。

皆、携帯を開いて私の顔をジロジロと見る。


聡太「みんな、どうした?」

大祐「…」

聡太が横に居る大祐くんの携帯を取ってみた。

聡太「何だよ、これ。」


栞夏「何?」

聡太が私の顔を見て言っていた。

聡太「見るな」

栞夏「何で?」

低い声で言う聡太が少し怖く思えた。
私の顔をジロジロ見る皆。


栞夏「何なの…」

聡太「栞夏!」

聡太に呼ばれたけどそんなのもうどうでもいい。
無我夢中に走り抜けた。

携帯に何が書いてあるか気になったけど…。
大体は分かる。
さっき、大祐くんが言った言葉を思い出す。

きっと過去の話。


気づけばやっぱり屋上。

本当にココの場所が落ち着くんです。


栞夏「…」

屋上のドアを開くと雨が降ってて
丁度いいって思った。

今の私の心を描いてるようだった。

もう、何もかも考え切れなくなった。
やっぱり私は一人なんだ。


思い出したのは楽しかった思い出。

杏華と初めて会った日。
真っ暗になるまで語り合った日。


あの日に戻りたい。

親友に戻れる日が来るのかな?






気づいたら頬に涙が流れていた。