「雪乃、おめでとー!」

「お、彩音!
それに、凛も!ありがとう。」

雪乃ファンクラブの後輩たちを掻き分けて、
谷中先生と話してる雪乃に彩音は声をかけた。

谷中先生が一瞬こっちを見た気がしたけど、
無視した。


「この調子で行けば、今年こそ、
テニス総合優勝いけるんじゃない?」

と私が声をかけると

「えーどうだろ?
高3の先輩、強そうだしなあ…」

なんて雪乃は答える。


「先生、知ってます?
雪乃、去年は準優勝だったんですよ。」

彩音は谷中先生に話しかけていた。

偉いなあ、彩音。

私は無視する気満々だったのに。

「マジで?
じゃあ、今年こそ優勝だな。
頑張れば3年生とだって互角か、
それ以上に戦えるって。」

先生ものってそう言った。

「またまたー!いいんですか?先生、
うちの学年だけ応援してて、
先生は別にうちの学年の担任って
わけじゃないのに。」

確かに。
雪乃、中々鋭いな。

「ああ、いいのいいの!
ほら、俺、高1の授業が一番多いから。
だから毎年、高1応援してんの。」

へえー成る程ね。

「本当ですか!やった。
じゃあ、是非次も応援来てください!」

「おう。任せとけ。」