テニスコートに着くと、
雪乃の試合が始まろうとしていた。

「雪乃は相変わらず、人気だな。」

応援の様子を見て、彩音が思わず口を開く。

「中等部にファンクラブがあるって話、
本当だったんだ。」

数人の中学生達が、
雪乃の先輩LOVEと書いたうちわを振って、
応援している。

「ライブかよ。」

彩音がつっこんだ。

「今更ながら、私達、凄いのと友達なんだね」

確かに、スポーツをしているときの雪乃は、
カッコいい。

真剣な目をしているし、
ポニーテールに結んでいる髪の
振り乱れ方が、
また、なんとも言えず、可憐であった。

15‐15

30‐15

40‐30

と雪乃は点数を入れていき、
あっという間に1ゲーム取ってしまった。