しかし、
この時の彩音は可愛かった。
病弱でか細くて、
守ってあげたくなるっていうか?

「それが、
どうしてこんな奴になってしまったのか。」

言葉遣いは私も人のこと言えないけど。

「あ?なんか言った?」

「いえ、別に。」

後で知った話だけど、
彩音は1、2年のころは、
よく保健室登校していて、
友達とかもあまりいなかったらしい。

ん?
ていうことは?
ひょっとして、雪乃と私の影響?

ないない。
そんなことないって。


「で、何の部活入るの?」

ちがうことしてみたいとか
言ってしまった手前、
帰宅部希望とは、言いづらい。

何か、いい案は…

ぐるっと視線を彷徨わすと、


"料理部"
活動日:毎週水曜日
おいしい料理、作りませんか?
作った料理は持って帰れます。
四月中は仮入期間。
高等部からでも大歓迎!


というポスターが目に入った。

これだ。

「りょ、料理部に入ろっかなー」