「はぁー」

「凛、最近よく、溜め息つくね。
やっぱり、生徒会は嫌だった?」

「え?ああ、別にそういうんじゃないよ。」

「私が無理矢理誘っちゃったかなあって
思ってさ。」

「委員選挙の時の雪乃の眼力は、
たしかに怖かったけどね。」

そう、私は結局、雪乃に負けて、
生徒会に入りました。

「だってー、誰かやりませんかー?
って言っても、
皆、私から目をそらすんだもん。」

あの重苦しい沈黙の中、
募集するのは、さぞ辛かったろう。

そんな時に、懇願するような目で見られたら…
私には耐えられなかった。

「私って友達想いだなあ…」

「本当、凛には感謝してるよ。
で、早速なんだけど、
明日の球技大会の記念品の準備、
誰か1人よこしてって言われたんだけど、
手伝ってきてくれない?」

「うん、いいよー。
どこ行けばいい?」

「えーっと、
事務室の隣の倉庫だね。
谷中先生がいるはず。」

何?谷中だと!?

「え…やっぱ嫌だ。」

「ええ?なんでよ?」

「あ、ほら、
記念品てトロフィーとかでしょ?
私、不器用だから、そういう貴重品、
触って壊したりしたくないし。」

「はい?普通、大丈夫だと思うけど…
まあ、嫌ならいいや。
じゃあ、私が行ってくるから、
対戦表のコピーお願いしていい?」

「わかったわかったー。やっとくやっとく。」

ふう…危ない。
二人っきりで仕事するとか、
気まずさMAX過ぎるわ。



…………



この時は、これがあんな事件に繋がるなんて、
思ってもみなかった。