先生…

私、教師を好きになるなんて、 ありえないことだと思ってたよ。

身分違いの恋なんて、 ただ、辛くなるだけだから…

結局、自分はただの一生徒なんだって そう思わせられるだけだから…

そんなむなしさ、絶対に味わいたくない。

だったら、恋なんてしたくない。


ちょっと前まで、
…そう、思ってた。


だけど、今は違う。

誰かを好きになるのは、理屈じゃない。

辛いってわかってても、 好きになるのはやめようって思っても、

「好き」って気持ちは止まらない。


それは先生が教えてくれたんだよ?
先生はそんなことまで教えてくれたんだね。


それだけじゃない…


先生は私に、
想いが伝わった喜び、
愛される喜びを教えてくれたんだ。


それは他の生徒たちと違って、
先生は私にだけ教えてくれた。


そう、だって私は
先生の「特別」なんだからっ!






【完】