「わがままを聞いてくれて、ありがとう。
お父さん、そして、お母さん。」


本当に感謝してる。


「凛ちゃん…?」


「お母さん、アメリカの男の人は、
お父さんよりかっこいいかもだけど、
浮気しちゃ、ダメだよ?」


「凛…ちゃん…っ!!
私のこと、"お母さん"って…」


「優香さんは私のお母さんだよ。」


「…っ!!!」


優香さんは目に涙を浮かべてる。


「夢でね、本当のお母さんに会ったんだ。
それで、なんか、ふっきれました。」


「凛ちゃん、ありがとう…!!」


「こっちこそ、
わがままな娘でごめんなさい。
そして、許してくれてありがとう。」


この家族は私がわがままで、
日本に残りたいということを許してくれる。

今までの私は、
日本に残っていいよ、と言われることで、
気を使わせてしまった。と
罪悪感を感じていたけど、
今は違う。

ここにいる皆は私の家族なんだ。
私が大事に思うように、
家族も私が大事なんだ。

私は一人じゃない、帰る場所がここにある。

遠慮なくわがままを言って、
甘えさせてもらおう。



そう、


気がねなく。




だって、


私たちは




"家族"




なんだから。