「なんで、
たきのりまでここにいんだよ!?
この馬鹿者が!!!」

「すみません…」

「人に心配かけさせないでよね?」

「反省してます…」

「本当、ないわ!!!」

「ごめんなさい。」


先生が仕事があると言って帰った後、
昼過ぎになって彩音が病室にやってきた。
どうやら剛先生から全部聞いたらしい。

「あのー…ところでどうして私は、
彩音さんにパシられて給湯室まで
走らされたりしているんでしょうか?」

…ちょっと前まで生死の境をさまよってた
はずなんだけど?

「ここでは私が先輩。
たきのりは後輩。
後輩は先輩にパシられる!」

「体育会系か!この病院は!」

「小児病棟にいるガキどもは
大体私の手下だ!」

「怖いこと言わないで。」

多分、本当の話なんだろう…

っていうか、
さっきから彩音はずっと、
ここに居座ってるけど、
相当暇だな…

なんて思っていると、


「彩音さん!やっぱりここでしたか。
もうとっくに検査の時間、過ぎてますけど!」


剛先生がやってくる。