「滝野ってさあ…
良い教師の教えかたってどういうものか
知ってるか?」



「知りません。」



「俺みたいな奴のことだ。」



「ナルシストってことですか?」



「ぶっ飛ばすぞ?」



「すみません…」




「良い教師ってのは、
生徒に自分で考えさせるために
何でもかんでもすぐに答えを教えねえんだ!」




…えっ?




「だから、俺がさっき、
"お前だけだ"って言った意味を、
お前が卒業した後に教えてやるよ。」




っ!!!!!



先生は私を、
やわらかく、抱き締める。




「先生……」




「けどまあ、頭の悪い生徒には、
このくらいのヒントはくれてやる。」




ドキドキドキドキ…
これは、夢じゃないよね?




先生は私の額に口づけをして、
ちょっと照れたように言う…




「あ、いっとくけど、
答えあわせも卒業したらだからな?」