お医者さんが来て一通り診察して、
もう問題がないということなので、

皆には家に帰ってもらった。

どうやら、私は
15時間近く寝ていたらしい。

その間、皆は
ずっと私のそばにいてくれたみたい
だったので、
さすがに悪いと思ってしまった。


…で、


「凛さん…とりあえず無事で良かったです。」

私の目が覚めたらしいと聞き付けて、
剛先生が病室にやってきた。

「色々と、ご迷惑おかけしました。」

「いいえ。
麻酔が切れて傷が痛んだりしてませんか?」

ちょっと痛い気がするけど、問題ない。

「大丈夫です。
…剛先生は命の恩人ですね。
ありがとうございました。」

剛先生がすぐに止血をしなかったら、
私は死んでいたらしい。

「もう、あんまり危ないこと、
しないでくださいよ?」

私もしたくてしたわけじゃないんだけど、
まあ、私がバカだったって話だから…

「すみません…でした。」

「僕より、弟に言ってください。
僕の何百倍も心配していましたから。」

ああ…

先生…怒ってるんだろうな…

と思うと同時に


「滝野!!起きたって聞いたから…!!!」


先生が急いで入ってくる。
剛先生が私が目覚めたことを連絡したらしい。

「守…一応病院だから、静かにね。
あと、凛さん、傷からの熱も
出ているみたいですし、
くれぐれも安静にしてて下さいね。」

そういうと、剛先生は部屋から出ていった。