「凛ちゃん…
一也のせいで本当にごめんなさい。」

「いえいえ。どちらかというと
私が感謝しないと…
本当に私がバカだったんで、
もう思い出したくもない黒歴史に
なりつつあるんで…」

「凛…」

「あ、お父さん久しぶり!
あれ?仕事は?」

「娘の緊急事態だ。飛んで帰ってきた。」

文字通り、飛行機に乗って帰ってきたらしい。

「あ、どうせお父さん帰ってきたんだったら
アパートの契約…」

この微妙な空気が嫌で、必死に喋ってしまう。

「そのことなんだけどな、凛。」

お父さんが言いづらそうに話す。

「実はね、私も海外転勤になっちゃったのよ」

と優香さん。

はい?

「それってどういう…」

「だから…家を建てる話はなくなった。
すまんな、凛。」

「…………あっ…そうだったんだ。
いや!まあ、別にいいんだけど、
…でも、私も
海外に行かなきゃいけないってこと?」

「お父さんは来てくれたら嬉しいけど、
そればっかりは凛に任せる。」

「…しばらく考えさせてほしいな。」



「あのー…お話の途中みたいですが…」

と入ってきたのが、看護婦さん。


そうだよね!

今、
引っ越しの話とかする状況じゃなかったよね?

なんか…空気読んでなくて…すんません…