土曜日。

先週は文化祭だったから、
俺にとっては2週間ぶりの休み。

だけど、
期末試験が近いので、
俺は問題作りのために、
学校で仕事をしていた。

「教師ってほんと、ブラック…」

「何か言いました?」

「いいえ。何も。」

何故、お局は俺の独り言まで拾うんだ?
実は、俺のこと、好きなのか?

そんなことはどうでもいいんだけど…


そう思ってると、

携帯に着信が入った。

兄貴からだ…!


俺はベランダに出て、電話をとる。

「もしもし?」

《もしもし。
守、今日、休みだったよね?》

…休みだけど、仕事はしてる。

「あー…うん、まあ。どしたの?」

けど、兄貴だったらいつでも予定は空く。

《今から会えない?》

「うん!会える会える。」

よろこんで!
これで仕事を中断する口実ができた。


「お先、しつれいしまーっす!」

俺がそう言って出てこうとすると、

「デートか?」

勇に聞かれる。

「だったら良かったんだけどな。
兄貴に呼ばれたんだ。」

そう言うと、

「なら、仕方ないですね。
早く行きなさい。」

と何故かお局に言われた。