「私の想いは届かなかった。」

「彩音…」

知らなかった。
彩音が先生を好きだったなんて。

「だけど!たきのりは、違うでしょ?」

「違くないよ…」

「…え?」

「違くない。
私だって…ただの生徒だから。」

「はあ?
半年も同じアパートに住んでて、
なーにが"ただの生徒"だっ!!
大体ただの生徒は、
教師の兄の電話番号なんて
知ーらーなーいっ!」

あ…たしかに。

「でも、だからって、
教師と生徒ってことに変わりはないし…」



っパシ!



…え?今、叩かれた?

「たきのり、何も変わってない。
結局、逃げるの?」

「いや、逃げてるわけじゃ…」

「逃げてるよ!!!
…自分の想いから、逃げてる!!」

え…?

「好きなんでしょ!?
だったら逃げるな!!
教師に恋して、何が悪いの?」