「先生と凛って、
そんなに仲良かったでしたっけ?」

あ…
雪乃が不思議そうな顔をして見ている。

「え、ああ…」

なんで先生までちょっと焦ってるんだよ。

「あ!やばっ!
生徒会本部のシフトの時間過ぎてた!
行かなきゃ!」

「え?雪乃!?」

「すみませーん!失礼しまーす!」

雪乃が俊足で去っていく。


…取り残された先生と私。

「………」
「………」

気まずい沈黙。

「滝野って合唱部、だったんだな。」

先生がその沈黙を破る。

「本当は高校では
入るつもりなかったんですけど、
文化祭前に助っ人で頼まれて。」

先生のことを考えたくなくて
打ち込めるものが欲しかった。
とは言えない。