大家さんは上の人が、
女性だ。とだけ言っていた。

一階と二階で外階段だし関係ないとはいえ、
同じ屋根の下に住む人だ。

出来たら、可愛い人がいいなあ…
なんて、くだらないことを考えて、
玄関のドアをノックした。


…………


なかなか、出てこない。
電気はついてるから、いるはずなんだけど。


ガチャ…


ようやく扉が開いて、中の人が出てきた。

なるほど。

結構、若いなあ。

大学生くらいか?

いや、もしかすると、高校生かも。

っていかんいかん。
ジロジロ眺めてしまった。

挨拶、挨拶っと。

「どうも、はじめまして
挨拶が遅れました。
下の階に引っ越してきた、
谷中といいます。
よろしくお願いします。」

ん?
あれ?

「どうしました?
俺の顔になんかついてます?」

目の前の女性もまじまじと俺を見ている。

「あ、は、はじめまして。
すみません、
昼寝をしていたもので、
ボーっとしちゃって。」

ああ、なるほど。
昼寝ね。

「私、滝野といいます。
こちらこそ、
よろしくお願いします。」

滝野?

どっかで聞いたことあるな…

あ、そうだ、
俺が歴史オタクと見た回答の奴の名前も、
滝野だったな。