「え?今日、奢りなの?」

聞いてないし、
奢られるような事した記憶もない。

「……た、から。」

「え?」

彩音が何か言っている。

「代演、引き受けてくれたから!」

「ああ、なんだそんなことか。
いいよ。
奢りとかそんなんしてくれなくても。」

私が決めたことだし。

「でも、たきのり、あんなに嫌がってたのに、
無理やりだったかな?って」

彩音がしおらしいことを言う。
まったく。
こいつ、根は優しいんだから。

「いいの!私もやりたくなったの!」

いい気晴らしになるかもしれない。

「本当に?」

「本当に。だから、奢らなくていい。」

「そう?
でも私、やっぱりたきのりが戻ってきて
くれて、嬉しい!」