先生の「特別」にしてくださいっ!

「谷中先生?
手が止まっているようですが?」

「え?あ、
ああ!すみません。」

昼休みを終わりにし、
採点作業に戻ったはいいけど、
さっきから全く集中できない。

「随分と余裕があるみたいですが、
来週には答案返却できるように
してくださいね。」

「は、はい。
勿論ワカッテオリマス…」

またまた
お局に文句を言われてしまった。

いかんいかん。
集中しろ!俺!

今は余計なことを考えている時間などない!

一刻も早く、
採点を終わらせなければならないのだ!

滝野のことなんて今は考えるな。

滝野のことなんて…


「滝野さん?」

いや、だから違うって…


…って、え?