先生の「特別」にしてくださいっ!

そうか。
そういうことか。

俺が最近、
彼女を作ろうとも思わなかったのは、

滝野がいたから、かもしれない。

滝野がいたから、
俺は一人暮らしの寂しさを感じたこと
なかったんだ。

滝野との生活は楽しいからな。
上に住んでるのが滝野でよかったと
何度思ったことか。


…いや?ちょっと待てよ?
それ、なんか変じゃないか?

別に俺は滝野と
同じアパートに住んでいるだけで、
同棲しているわけではない。

大体、滝野は俺の彼女じゃねえぞ?
あたりまえだ、
生徒なんだから。

そんな目で見たことすらねえよ。

≪私も、
先生が下に住んでるから、
毎日、楽しいです。≫

………!

ふと思い出してしまった、
あの時初めて見た、
弾けんばかりの滝野の笑顔。

なんだ?
なんなんだ?

この、感情は?