先生の「特別」にしてくださいっ!

「それとも、あれか?
滝野は楽しくないのか?」

「そんなことないです!!
……楽しい…です。」

「なら良かった。」

「でも、先生は…」

私よりも取り巻きの子たちといた方が
楽しいですよね?
なんて聞けない。

絶対重いと思われるし、
そもそも先生は教師なんだから、
生徒の誰とだって仲良く話すのは
当たり前のことである。

本心がどうであれ、
そんなことないと
否定されるに決まっている。

何、意識してんの?
と迷惑に思われるのも嫌である。

「…なんでもないです。」

「………」

謎の沈黙。
嫌な思い、させちゃったかな?

「あのさあ…」

と思ったら、先生が口を開く。

「お前が何を考えてるか知らないけど、」

「………」

私は黙って聞く。

「俺が、
上に住んでるのが、滝野で良かった。
って思ってるのは本当だぞ?」