「ありがとうございます。」

ああ…
そうか。
やっぱり私は先生の事が好きだ。

先生としてだって大好きだけど、
それだけじゃなくて、

先生を"男"として見ても、
私は先生が好きなんだ。

「で?
お前がここにいたい理由ってなんなの?」

「それは絶対に言いません。
聞かない方が身のためだと思いますよ?」

絶対に言えないよ。
生徒から告白されても、
先生は絶対に困るだけでしょ?

私は大好きな先生を困らせるようなことは
したくない。
先生を困らせるくらいなら、
私はこの想いをずっと胸にしまっておくんだ。

「なんだそれ?」

「大事な11人目をなくしたくないんで。
あ、そのかわり…」

そのかわりに、先生…
先生への想いを黙っているかわりに
お二階さんとして先生のそばにいることは
どうか許してください。

「これ、先生にあげます。」

「勾玉?なんだ?これ。」

「渡しそびれてた旅行のお土産です。
願いごとが叶うそうですよ。」

ついでに、このくらいの嘘も許してください。