先生の「特別」にしてくださいっ!

ドキドキドキドキ…

こんな状況で、
ドキドキするなって言う方が
どう考えても無理なわけで。

先生にこの鼓動の早さが伝わってたら、
恥ずかしいな。
とか思いながら、花火を見る。


今までの生涯で一番綺麗な花火の気がした。


「綺麗…」

思わず、感想が口に出てしまった。

「な。
やっぱり屋根の上が最高だと思ったんだよ。
ここに来て、正解!」

先生がにっと笑う。

「そうですね。」

私も笑い返そうとしたけど、
色々と思い出してしまい、
中々、笑顔になれなかった。

先生はそんな私に気づいてか、

「俺は…」

と唐突に話をしはじめる。