私は旅行であった話を色々話した。

「義母は優しい人です。
今まではどうしても"お母さん"って
思えなくて、
それが辛くて家を出たってとこも
あったんですけど、
ふたりでいる時に、
"お母さん"じゃなくて、"年上の友達"って
思ってくれればそれでいいよって言われて。」

気が楽になった。

「良い人だな。」

「はい!本当に良い人なんです。
だから…辛くて…」

「だから、辛い?」

「今度、家を建てるそうです。
それで、私も一緒に住んでほしいって…」

「なるほど。
滝野はどうなんだ?
一緒に住みたいのか?」

「私は…前に家を出た時は、
気まずい中、やってく自信がなかったけど、
今は違います。
あの家族でなら、やっていけると、
そう思ってます。」

「そうか。」

「だけど、私!」

あ…

駄目だ…

この先は、言えない。

先生との、
この特別な生活をやめたくないから、

ここから、
離れたくないって思ってるなんて、

言えない…