「よし!じゃあ、これで全部だから、
教室までお願いね!」

「…先生は手ぶらなんすね。」

「凛、聞こえるって。」

「いや、きっと聞こえてない。」

「本当はこのまま二人に
クラス委員やってほしいところだけど、
二人は生徒会だから、しょうがないわね。」

「ほら聞こえてなかった…って、え!?」

いや、私は生徒会じゃないよ?
クラス委員もやりたくないから
黙っとくけどさ。

「じゃあ、いっそ凛も
生徒会に入れば良いよ!」

教室に戻りながら、雪乃が言う。

「いや?良くないよ?」

「だってほら、生徒会って
中学までは1クラス1人だったけど、
高等部は1クラス2人じゃない?」

「うん。」

「だからさ?」

「だから何よ?」

「………」

「そんな、目で見てもやらないよ?」

「うるうる。」

「うるうるしてもやらない。」

声に出すなよ。

「うちのクラスやりそうな人いないもん。」

「当たり前でしょ。
そんな面倒くさいもん普通やらんわ!」

「えー…凛、私が普通じゃないって言うの?」

「うん!」

「元気よく答えるなし。
でも本当、楽しいよ?」

本当かよ。

「ほんとに?」

「う、うん。たまに…」

まあ、雪乃はずっとやってるわけだから
やりがいとかはあるんだろう。
でも…

「お願い!
凛しか頼れないんだよお!!
凛と一緒に生徒会の仕事したいんだよお!」

う…そう言われると弱いことを知っていて
こいつはそういうことを言う。