え?

嘘?

何してんの?

バカなの?


「昨日は休んでごめんなー
ちょっと風邪引いちゃってさ。」

かすれた声で笑っている。

「もう大丈夫なんですかー?」

と聞く生徒に、

「あーもう、全然平気!」

と答えてる。

嘘だ!

マスクをして顔の半分隠れているが、
顔色は明らかに悪い。

何なの?バカなの?

休んでろよ。
有給余ってんだろ?

…あれ?私、昨日と逆のことを考えてる。

そんなことはどうでも良くて、


ほんっと、何考えてんの?


思わず睨んでしまった。

あ、目があった。

あ、一瞬でそらされた。


あーもう、なんで私、こんなに動揺してんの?



何故だか私がモヤモヤしていると、
前の雪乃から、メモの切れ端がまわってきた。

《今日の放課後、高1生徒会で話し合いしたいんだけど、空いてる?》

と書かれている。

どうせ、あの男は、
学校に来たからには遅くまで仕事して
帰るのだろう。

家で一人でモヤモヤするより、
なにかしてる方がよっぽどマシだ。

《余裕で空いてる》

と返しといた。