先生の「特別」にしてくださいっ!

「滝野って…」

「なんですか?」

「前に食べたカレーでも思ったけど、
料理上手くね?」

「え?普通じゃないですか?」

「味付け加減が絶妙過ぎる。
なんかこう、お袋の味って感じがするわ。」

「お袋の味…ですか。」


玉子粥はそれなりにちゃんと出来上がった。

お粥はあんまり作ったことないから、
味にそんなに自信はなかったけど、

誉めて貰えるとちょっと嬉しい。


「小さい頃、風邪引いたときによく、
兄貴に玉子粥作ってもらってたんだ。」

先生は唐突に語りだす。

お兄さん?

そこは普通、お母さんとかでは?

そういえば、先生の家族のこととか、
あたりまえだけど、
全然、知らないわ。