「なんっで、体育の日に限って、
良く晴れるんだ?解せぬ。
解せぬぞ、雪乃。」

「まあまあ、仕方ないでしょ。
バレーだって楽しいよ?」

「嫌だー
腕が痛くなるから嫌だー
体育館ならソフトバレーになるのに。
腕痛くないのにぃー…」


あれから1か月。
空気はすっかり暑くなり、
夏服に衣替えもすませてしまった。

中間テストも終わり、
そろそろ梅雨入りしようかという
ある日。

相も変わらず、体育が嫌で、
しかも嫌いなバレーボールで
私はボールから逃げ回り…
じゃなくて、
なるべく皆の邪魔にならないように
どうにかやりすごしていた。


まあでも今日は、
この後の3限、日本史の授業だし。

それを考えれば、
この苦痛な時間だって耐えられる。

頑張れ、私。

入れよ、サーブ!


えいっ!

すかっ!

………

うん。

入るわけ、なかった。