「高橋さーん…
ちょっと謝らなきゃいけないことが
あるんだけど。」

授業終了後、
相澤さんが真っ先に雪乃のところに
やってきた。

「ん?どうしたの?」

「実は、この前借りたノート…」

「ああ!大丈夫だよ。」

相澤さんの言葉を遮るように、
雪乃が言葉を発した。

「え?」

びっくりしてる相澤さん。

雪乃は相澤さんが持っているはずの
ノートを掲げて見せた。

「図書室の机においてあったの
友達が見つけて届けてくれたの。」

雪乃…
おまえってやつは…

「ご、ごめんなさい。」

「次から気をつけてくれれば、
それでいいよ。」

「本当にごめんなさい。」

「今日の分は大丈夫?」

「あ、うん!今日は大丈夫。」

「なら良かった。
またいつでも言ってね。」

「高橋さん…
ありがとう!」

相澤さんは笑顔で去って行った。
もう雪乃の悪口を言う事はないだろう。

なぜか、そう確信できた。