先生の「特別」にしてくださいっ!

「お、やった!
これで部屋が片付く。
このカレーのお礼ってことでいいか?」

「むしろ、嬉しいです。
ありがとうございます。」

「いいっていいって。
こっちも助かる。」

カレーで本棚がもらえるのか。
とんだ、わらしべ長者だな。

というかさ、

「なんで本棚が余ってるんすか?」

「俺、こう見えて本好きなんだよ
引っ越してきたことだし、
この際、おっきいの買おうかな。と。
いやーこれで、引っ越しダンボールから
解放される。」

「なるほど。
ってまだ片付いてないんですか?
もう五月ですよ?
引っ越して一か月くらいたちますよね?」

「仕事が忙しいんだっ!」

ああ、教師って大変なんだな。

でも、

「飲み会に行く時間はあるのに。」

ボソっと言ってみた。

「へへっ
まあ、片付けるのが、苦手なんだ。」

先生はちょっと恥ずかしそうに言った。