先生の「特別」にしてくださいっ!

「カレー、旨っ!
滝野って料理うまいんだ?」

「一応、料理部ですので。」

入部したの昨日だけど。

っていうか、なんで私、
普通に先生と団らんしているんだ?

先生と私は、先生と生徒だし、
これ結構まずいんじゃない?

あ、でも、同じアパートの住人同士
と考えれば、普通か。

あれ?なんかわからなくなってきた。

「…きの、滝野!」

「へ?あ、なんですか?」

「なんですか?じゃねえよ、
もう眠くなったのか?」

「ちがいます!
で、なんですか?」

たしかにもう10時半だし、
いつもだったら、
そろそろ布団に入るころだけどさ。

「本棚あまってんだけど、いる?」

確かにこの部屋には本棚がない。

家具と言ったら、
テレビと机と箪笥とベッドしかない。

本は適当にその辺に積んである。

「でも、置く場所なくないですか?」

「結構小さめの奴だから、
ベッドのとなりのこのスペースに
おけると思う。」

本棚か…

「頂けると助かります。」