気づいた時には、取り返しがつかなかった。


別れて一週間後。


お前の死を知った。


事故死だと言われて、でも信じられなくて。



俺は本当にお前を失ってしまったんだって、気付いたのは…
お前の葬式に参列した時。




生憎、葬式のあったその日は雨で。


俺は喪服を着たまま、雨の中を立ち尽くしていた。


身体を伝って足元を濡らす雫。


あの時、あの涙を拭っていたら……


お前は死ななかったんだろうか?


やっぱり、俺は間違ったんだろうか?


冷たい雨が、失ったものの重さを教えてくるようで。


噛み締めた唇から、赤い水滴が流れた。