すっかり暗くなった道を、健人の自転車に乗りながらミチルは帰った。

途中で健人に会わなかったのはきっと健人が、別の道を通ったからだろう。

ミチルが家に着いた時も、健人はまだ帰宅していない様子だった。

自転車を健人の玄関の前に置き、ミチルは家に帰った。

自分の部屋にいきベッドに寝ころぶと、今日のことが思い出された。

健人と喧嘩をしたのはいつ以来だろうか。

幼い頃はいつも喧嘩をしていた。

たいていミチルが負けて泣き出す。そしてそれを見た健人が謝る。

そんな事を繰り返すうちに、いつの間にか泣かされることはなくなった。

ミチルが気がつかなかっただけで健人はあの頃から優しかった。

下心だけでミチルに優しくしていたなんて本気で思っていない。