最後にそんな捨て台詞を吐いて健人はミチルを置いて駆け出して行った。

と思いきやクルリときびすを返し、ミチルに駆け寄った。

警戒したミチルの手を無理やり掴むと、その手に何かを押し込んだ。

そして今度こそ本当に駆け出して行った。

ミチルの手には健人の自転車の鍵が握られていた。

いつの間にか夕日は沈み紫の空が広がっていた。