おとななこども

着替えを終えて部室へ出ると、外はすっかり暗くなっていた。

日が長かった夏の日が懐かしい。

ふうと息を吐きながら校門を出た時、
「あ、平岡さん」

会いたくもない人に遭遇した。

会長は自転車をひいていた。

自転車通学なんだ。

そう言うあたしは徒歩での通学だ。

地元だし、歩いて20分で済むし、結構便利だ。

まあ、あんな遠くに住んでいたら自転車だよね。

「今部活終わったところですか?」

そう聞いた会長に、
「…それが何か?」

って言うか、見りゃわかるだろうって言う話だ。