おとななこども

放課後になった。

「さて、部活部活」

エナメルバッグを肩にかけた時だった。

「平岡さん」

その声に視線を向けると、生徒会長が目の前にいた。

「…何ですか?」

今日は確か生徒会の集まりがなかった…はず。

「数学のプリント、まだ提出していませんでしたよね?」

首を傾げたあたしに、会長が言った。

えっ?

数学にプリントなんかあったっけ?

エナメルバッグを机のうえに置いて、中身を確認。

「あっ…」

あった…。