キーンコーンカーンコーン

5時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。

最低!

最低!

最低!

教室がある階まで階段を一気に下り、踊り場のところで立ち止まった。

会長の唇が触れた頬に手を当てる。

そこが熱いのは、あたしが早足と一気に階段を下りたせいである。

「信じらんない…ッ!」

唇にされなかっただけでも、まだ運がいいと思う。

だけどあたしの中ではファーストキスだ。

ファーストキスは絶対に好きな人と…って思ってたのに!