美味しそうにホワイトチョコレートの生チョコを口にしている会長の顔があった。

「あの、会長…?」

恐る恐る会長の名前を呼んだあたしに、
「これ、桃が作ったのですか?

美味しいですよ」

「いえ、ほとんどが姉が…」

呟くように言ったあたしに、会長はもう1つ生チョコを口に入れた。

またもう1つ生チョコをつまんで、
「うぐっ…!?」

あたしの口の中に入れた…と言うよりも、押し込まれた。

あたしも今朝生チョコをつまみ食いしたんだけどなあ。

なんて思ったけど、美味しいことに変わりはない。

口の中で溶ける生チョコに上手にできたと舌鼓を打っていたら、
「もう1つだけ食べます?」

会長が言った。

食べますって、それはあたしが作ったヤツですけど?