おとななこども

迎えたバレンタインデー当日の朝。

冷蔵庫から昨日作ったホワイトチョコレートで作った生チョコを出した。

それを１つ口の中に入れると、
「できたー！」

あたしはガッツポーズをした。

昨夜のつぐみちゃんの熱心な指導のおかげで美味しい生チョコが完成した。

さすが、つぐみちゃんだ。

できたての生チョコを箱に入れて、真里から借りたかわいい包み紙とリボンでラッピングをすれば、
「よし、完成！」

我ながら上手にできたラッピングに、あたしはうなずいた。

「桃、学校に遅れるわよー」

リビングで朝ドラを見ながら朝ご飯を食べている若葉ちゃんに言われて、あたしは時計に視線を向けた。

大変、もうこんな時間！

ラッピングしたばかりの生チョコをカバンの中に入れると、
「行ってきまーす」

家を飛び出した。