おとななこども

会長がポケットから差し出したものは、
「よろしかったら、お１つ」

ホワイトチョコレートだった。

えっ、チョコレート？

会長、チョコレートなんて食べるの？

信じられなくて、あたしはホワイトチョコレートと会長の顔を交互に見た。

「どうかしました？」

会長はホワイトチョコレートの箱を開けると、そこから１つ取り出した。

パクリと、それを口に入れる。

会長がそれを食べるところを見ながら、
「えーっと…ホワイトチョコレートは、ちょっと…」

あたしは首を横に振った。

ホワイトチョコレートは食べれると言えば食べれるが、会長がそれを食べているのが信じられなくて断った。

「そうですか」

会長はそう返事すると、ホワイトチョコレートをポケットに入れた。