「会長」

あたしが言うと、会長は笑った。

走ったきたせいなのか、呼吸が乱れている。

「やっと、2人きりですね。

あの休日以来でしょうか?」

会長はデレ甘の笑みを浮かべた。

「さあ…」

そのデレ甘の笑みにあたしはどう答えていいのかわからなかった。

心臓だけは正直なもので、ドキドキとうるさく鳴っている。

「では、行きましょうか?」

会長が言った。

「…どこに?」

そう聞いたあたしに、
「着替えをしに」
と、会長が返した。