「えっ?

そう?」

ボールをかごの中に入れながらあたしは返す。

「昨日何かあったの?

くるのすごい遅かったし」

「あー…数学の宿題のプリント忘れちゃっててさ、居残りさせられてたの」

「へぇ、桃が?

珍しい」

マリエが不思議そうな顔をした。

「まあ、部活とか生徒会の集まりで忙しかったから」

「3年生引退しちゃったからねー」

マリエはうんうんとうなずく。

「とりあえず、昨日は遅刻しちゃってごめん」

「いいよ、お昼にジュース奢ってくれればいいから」

謝るあたしにマリエは笑いながら言った。