おとななこども

「足…」

「これから病院に行きますから心配しないでください」

何かを言おうとした会長をさえぎるようにあたしは言った。

「付き添いは…」

「結構です。

1人で行けますから」

あたしは息を吐いた。

その後で背を向けようとしたあたしに、
「まだ代償が払い終わっていません」

会長が言った。

…そう言えば、保健室でそんなこと言ってたな。

「って言うか、何であたしに代償を払わなきゃいけないんですか?

そりゃ、ケガ隠して試合に臨んだあたしもあたしで悪いと思いますけど」

毒づくように言ったあたしに会長は口を閉じた。