「寂しいって何なんですか?

むしろ、寂しくなんてないんですけど!?」

繋いでいる手を引っ張る。

「まあ、練習が終わったら離して差しあげますから」

会長が台本に視線を落とす。

「今離してください!」

あたしがそう言っても、会長の視線はすでに台本だった。


昼休みの生徒会室で、あたしと会長は毎日練習していた。

会長と手を繋いだままの状態で練習の日々だ。

2人での練習もなれて、クラスメイトのみんなと練習をした時、
「すごーい!

桃、最初の時よりもよくなってるよ!」

委員長に拍手をされた。

よくなってるって言うか、最初は“わざと”やってたんだって言う話である。

心の中で毒づいたあたしに、会長はニコッと笑った。