「これ…」

あたしは会長に見せた。

「これ…と言いますと?」

この状況を、あなたが1番よくわかっているはずです。

シラを切り通している会長に、
「手を繋ぐ必要なんてないと思います!」

あたしは言った。

「おや…」

会長は楽しそうに笑った。

「笑うところじゃないと思います!

手を離してください!」

会長と繋いでいる手を引っ張って離すように要求する。

「だけど、平岡さんは寂しいんじゃないんですか?

持つものがなくなって」

会長は繋いでいる手を離さない。

それどころか、繋いでいる手を強くする。