「“白鳥”って言う女の子知らないの?

その子、会長の妹らしいんだけど」

続けて言ったあたしに、
「シラトリ…百花ちゃんのこと?」

真里が首を傾げた。

「知ってるんだ…」

少女マンガオタクでも、さすがに名字くらいは知っているらしい。

あたしの呟いた声が聞こえたのか、
「だって百花ちゃんクラスメイトで、生徒会長なんだもん」

真里が答えた。

「えっ!?」

大きな声を出して驚いた。

「桃姉ちゃん、声大きいよ…」

真里がうるさいと言うように両手で自分の耳をふさいでいた。