それは蝉がうるさく鳴く暑い暑い夏の日の事だった…
20XX年8月7日 日曜日 快晴
この日、夏季休暇ということもあり、都内に限らず何処もが人でごった返す中、
歴史的に残る大規模な爆発テロが起きた。
破壊されたのは東京の丁度中心あたりに位置する45階建てのショッピングモールや宿泊施設内蔵の高層ビル。
ビルの一階に仕掛けられた爆弾は凄まじい威力で爆発し、直後にビルは全壊した。
死傷者は4000人を超える大惨事となり現場は見るも無残な姿になったという。
ビル内部の客や従業員のほとんどが命を落とし、
ビルから奇跡的に救出され助かった人や自力で逃げた人はごく僅かであった。
もちろんこの爆破テロによりビル付近くにいた人々にも甚大な被害を及ぼした。
この日、この突然の爆発によって、
昨日までの平和な日々が嘘だったかの様にその場は地獄と化したのだ。
しかし…
その後警察が駆けつけたのはビルが崩壊して30分たった後の事だった。
あまりにも遅すぎる対応が問題となり、この後警察組織による会見が行われた。
その様子はLIVEで日本全国で放送され、しばらくはこのニュースでもちきりだったという。
〝今回の件で対応が遅れたのは内部での伝達ミスがあった事だった〟
会見でのこの発言に対して、
世間はこの爆破テロに何らかの形で警察関係者が関わっているのではないかと疑ったが、
結局真相が明るみに出ることは無かった。
そして、手がかりが中々掴めず、爆破テロの犯人を捕まえることも叶わなかった。
この事件を通してあまりにも警察に対する批判が多く、
対処しきれないと判断した国は警察組織から独立した組織、
〝日本特殊警察部隊〟を作る事を議決した。
その時警察にも特殊部隊はあったが、
新たに出来た部隊は今までの特殊部隊とは違い、通常の業務や捜査なども行う。
しかし、この組織は完全に警察組織から独立した組織であるため、囮捜査はもちろんのこと、法律は適応されないのだ。
仕事内容や資格、普通の警察とはあまり変わらない。
しかし、特殊部隊は警察からゆりすぐりの人材だけを集めた機関であるため、エリート中のエリートでなければ配属を許されないのだ。
警察組織で目立った功績を残したり、実績を積んだものが、特殊警察へと引き抜かれる。
いわば、
警察を目指すものであれば誰もが憧れる組織である。
しかし、この組織では…
国民の期待故、失敗は絶対に許されない。
重く大きなプレッシャーがのし掛かるのだ。