白ト黒ノ匣

雲雀の大胆かつ横暴な行動に、教室中がざわついている。


「桐生 雲雀、相変わらずこえーな。また変な事に、足突っ込んでんじゃねーの?ほら、こないだとかさ、あの治安悪い英町(ハナブサチョウ)の路地裏で、深夜に彷徨いてて補導くらったんだろ?他にも同じようなこと何回かあるみたいだし、こりゃ絶対…」

「シーッ!!声でかいぞ!!聴こえてたらどおすんだよ!!」

「私、あのこ、入学した時はすっごい美人だと思ったの!!ほら、目とか少し赤みがかってて綺麗だし、背もそれなりに高いし、スタイルいいしね?でも、話しかけようとしたけど、何かオーラっていうの?変わってるってすぐわかったよ。」

「私も私も!!話しかけようと思って、おはようって挨拶したら、すっごい目付きで睨んできたの。私が何したってのよー。」



廊下からでも聴こえるひそひそ話。

高校一年生になって2ヶ月半。

自分の噂ばかり流れているクラスに、雲雀はもう慣れていた。