白ト黒ノ匣

――…何時モ消エテシマウ…。

どうしてもたどり着くことができない

あの一つの灯り。

―…アレハ…













―――…生…桐生…


「桐生 雲雀(キリュウ ヒバリ)!!」


耳元で大きな声で先生が叫ぶ。

「何よ、先生。私今とても大事な…」


雲雀は漆黒の長い髪をかきあげ、ムクッと起き上がって目を擦り、何か言いたげに立ち上がった。

「授業中で先生の話より大事なこととは、一体なんだ!?」


目の前で怒鳴り散らす先生に、呆れてため息をつく。


「いくらでもありますよ、先生。私調子悪いみたいなので、早退します。」


雲雀は嫌みたらしく先生に言い放つと、鞄を持ちさっさと教室から立ち去った。