思わずハッと顔をあげた。

それは私の後ろから長くて綺麗な腕が伸びて

その人と私の間の狭いすき間に

大きくて綺麗な手があって

10000円札が5枚ちらついていた。

「なんならまだあるけど?」

余裕そうな笑みを浮かべる男の人。

少し悔しそうな顔でその人は舌打ちをして

お金をひったくるように奪って去っていった。