「この間、私を助けてくれた人がいるの。
その人は大学生なんだけど...
すごくかっこいい人なんだよ。
私、今、その人にすごく会いたいんだ。」
「ねぇ、これってなんだと思う?」
どんなに待っても返事が返ってこない。
「おーい?樫野くん?」
何かを思いつめたような
そんな顔をしてる樫野くんの変わりのように返ってきた声がした。
「それは" 恋"でしょ。」
その声はこの間遊びに行ったもう一人の親友の弥生の声だった。
「私と別れた後にそんなドラマチックな展開があったなんて...一緒ついてけばよかった...。」
「弥生。それが恋なの?」
「そうよ。早紀。
紅音に聞いたわ。今日、櫻橋行くんですって?
ぜひ同行したいわ!」
「いいよ。行こっ。」
放課後が楽しみなようで
でも少し苦しかった。