愛した男は悪魔でした。


「んっ・・・?」

目を開くと、そこは見慣れない部屋だった。
真っ白なシーツを身にまとって横たわっているあたし。

視界に写るものは・・・殺風景な部屋。
お気に入りの家具で飾られているあたしの部屋でないことは確かだ。


「おぅ。起きたか」

その声にあたしは息を呑んだ。

何これ?
え?
ちょっと待ってよ。


鋭い瞳。
明るい茶髪。
容姿端麗という言葉がまさに当てはまるであるだろう。
身長は180くらいあるかもしれない。
上半身に何もまとっていない彼の腕には、龍の刺青が泳いでいる。

・・・一瞬、本気で意識を失いそうになった。

ここはどこで、こいつは誰で、何でこいつは服着てないの?
そこまで思って一瞬動きを止めたあたしは、シーツの中に隠されている自分の体に視線を向ける。


―――――そこには・・・



―――――一糸まとわぬあたしの体。



「いっ・・・」



こんなの・・・
こんなの・・・



「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」